敷金返還の最終手段である「少額訴訟」とは? その方法と手順

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敷金返還の最終手段は少額訴訟

「内容証明郵便」で訴訟も辞さないとの決意を示そう!新サービス「電子内容証明」はメリット多しでご紹介した「内容証明郵便」の送付後、指定した期日までに口座への入金がなく、大家さんや不動産屋さんから何の連絡もない場合、相手に敷金の返還をする意思がないということになります。また、返還された額に納得できない場合などは、次なる一手を打たざるを得ません。

それが「少額訴訟」です。

少額訴訟とは?

少額訴訟は、簡易裁判所における民事手続きのひとつです。

これは海外においては一般的な簡易訴訟制度(Small claims court)を参考に、1998(平成10)年に設けられた制度です。当初は30万円以下の訴訟に限っていましたが、想像以上に利用が多かったことから、2003(平成15)年の民事訴訟法改正で取り扱い額が60万円以下まで広げられました。

敷金トラブルだけでなく、

  • アルバイト・パートの賃金不払い
  • 個人間の金銭の貸し借り

などでも利用されています。

「時間や費用の面を考えるとわざわざ裁判を起こすほどではない」といった理由で、これまでは泣き寝入りをしなければいけなかった多くの事案の解決に役立てられています。

少額訴訟の基本原則

少額訴訟の基本原則は以下のようになります。

  1. 1日の期日で審理を終えて判決をすることを原則とする、特別な訴訟手続です。
  2. 60万円以下の金銭の支払いを求める場合に限り、利用することができます。
  3. 原告の言い分が認められる場合でも、分割払い、支払い猶予、遅延損害金免除の判決がされることがあります。
  4. 訴訟の途中で話し合いにより解決することもできます。これを「和解」といいます。
  5. 判決書または和解の内容が記載された若い調書に基づき、強制執行を申し立てることができます。
  6. 少額訴訟判決に対する不服申し立て、異議の申し立てに限ります。控訴はできません。
  7. 被告側の希望により通常の訴訟手続きに移ることがあります。

訴えを起こす裁判所(管轄裁判所)はどこ?

「少額訴訟」を起こす裁判所は、原則として相手方の住所地を管轄する簡易裁判所です。

しかし、「少額訴訟」を決断するタイミングというのは、「内容証明郵便」の送付後の対応ですから、すでに部屋を引き払い、遠くに引っ越しているケースも多いのではないでしょうか。

事件の種類によっては、ほかの簡易裁判所にも訴えを起こすことができるので、まずは今お住いの簡易裁判所に問い合わせてみてください。

「少額訴訟」に必要な書類

「少額訴訟」を起こすために必要な書類は以下になります。

  • 訴状
  • 登記事項証明書
  • 訴状副本
  • 証拠資料

これらの書類は弁護士に依頼しなくても自身で作成が可能です。
それぞれについて説明します。

訴状

訴状は定型用紙が各簡易裁判所に用意されています。各地の裁判所のサイト内には各庁独自の書式がある場合もありますので確認してみてください。

裁判所ウェブサイト(http://www.courts.go.jp/saiban/syosiki_minzisosyou/syosiki_02_04/index.html)から書式をダウンロードすることも可能です。記載例もありますので、こちらを参考にして書面を完成させてください。

登記事項証明書

訴訟の相手が法人の場合は登記事項証明書が必要です。登記事項証明書は法務局で取得できます。入手には500円ほどかかります。

訴状副本

副本とは、いわゆるコピーのことです。「少額訴訟」の相手の数だけ訴状の副本(コピー)が必要です。

証拠資料

以下のような項目が「少額訴訟」の証拠となります。
つまり、「少額訴訟」を念頭に置いているならば、こうした証拠候補をきちんと残しておくことが重要となります。

  • 大家さんや不動産屋さんと結んだ【契約書】
  • 大家さんや不動産屋さんからの【請求書】
  • 大家さんや不動産屋さんから出された【見積書】
  • 大家さんや不動産屋さんから出された【領収書】
  • 大家さんや不動産屋さんからの【メール文のコピー】
  • 大家さんや不動産屋さんとの【電話の録音】

「少額訴訟」にかかる費用は?

訴訟(裁判)には高額のお金がかかるというイメージがありますが、「少額訴訟」は5000~1万円で起こすことができます。
必要な項目は以下になります。

  • 印紙代
  • 郵券(郵便切手)代

印紙代

訴訟(裁判)の費用は印紙で払うことになります。印紙は郵便局などで購入できます。

「少額訴訟」に必要な印紙の金額は請求額によって変わります。

  • 10万円まで…1000円
  • 20万円  …2000円
  • 30万円  …3000円
  • 40万円  …4000円
  • 50万円  …5000円
  • 60万円  …6000円

郵券(郵便切手)代

印紙代に加えて、郵券(郵便切手)代が必要です。

金額はそれぞれの簡易裁判所によって異なりますが、ほぼ4000円前後です。

強制執行に必要な費用

「少額訴訟」で勝訴判決を得たとしても、不動産屋さんや大家さんが敷金の返還を行わなかった場合、その金額を強制執行(差し押さえ)という形で回収しなければなりません。そのための費用として、以下が必要となります。

印紙代

債務者(大家さんや不動産屋さん)に対して強制執行を実施するために必要な印紙代として4,000円かかります。

郵券(郵便切手)代

簡易裁判所によって若干の差がありますが、おおむね3,000~4,000円が必要です。

まとめ

訴訟(裁判)というと、多額の費用が必要というイメージがあるかもしれませんが、「少額訴訟」に必要な金額は合計で2万円前後です。

これを高いと感じるか、安いと思うかは請求額などによっても変わってくるでしょう。

もちろん、手続きなどを弁護士に依頼せず自分でやらなければいけなかったり、訴訟を担当する簡易裁判所は基本的に相手方の住所地を管轄する簡易裁判所となるため、その簡易裁判所に出向かなければなりません。

しかし、敷金の返還を行わない不正な大家や不動産業者に対して、あなたが毅然とした態度で立ち上がることで、これからその毒牙にかかるかもしれない多くの人を救うことになるのです。

敷金トラブルをきちんと解決させる最終手段として、「少額訴訟」を視野に入れておいても損はありません。

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